Creators' Talk

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THE NORTH FACEを知るクリエイター達へのインタビュー

Kuniyuki Takahashi

www.myspace.com/kuniyuki

高橋クニユキ
札幌を拠点に活動するKuniyuki Takahashi。彼の音楽は、国境を問わず常に独特の世界観を持ち、世界各国のプロデューサー、DJから高い評価を得ている。Joe Claussell主宰[Spiritual Life]傘下の[Natural Resource]から自身のホームタウンであり、札幌の名クラブをトリビュートした曲「Precious Hall」をリリース、4Heroの2000Blackのコンピレーション参加、Ananda Project「Cascade of Colour」のリミックス・リリースなど、ジャンルレスな音楽形態を持ちながら、日々新しい音楽の形をクリエイトしている。現在まで3枚のフルアルバムをmule musiqより、そして12インチやリミックスなども多数リリースしている。

interview

THE NORTH FACEと+81が協同で開催した『+81 Vol.37』のリリース・パーティでのライヴで、来場者を美しく感情豊かな音世界へと誘ってくれたKuniyuki Takahashi。以降も、TNFの創設40周年を記念した「DO MORE WITH LESS」のレセプション・イベントや、札幌Fillmore Northでの「Mixed Emotion, On the EARRH」、さらには仙台店、神戸店のオープニング・パーティなど、TNFの記念すべき多くの場面で演奏やDJを披露している。そうしたことから、彼とTNFの関係は長年に渡るものだと思っていたのだが、「まだ2、3年」と聞いて少し驚いた。しかし、「音楽が距離を縮めてくれた」という本人の言葉が頷けるほど、TNFの世界観と、彼が奏でる音世界には、通じる要素を多分に感じる。その内容を手短かな言葉で表わすのは難しいが、このインタビューを読めば、両者がお互いに共鳴する理由に触れてもらえるかもしれない。


最新の3rdアルバム『Walking In The Naked City』のタイトルが持つ意味を教えてください。


Kuniyuki Takahashi(以下KT):このタイトルはもともと自分の心の中にずっとあったもの。ポリシーや概念など、自分自身を形成している大切なものを全て置いて、ゼロになった裸の自分がいろいろな世界を見ていく。そうした意味を持っています。


それぞれの楽曲にストーリーがあるという話でしたが、アルバム全体を通したストーリーはありますか?


KT:1曲単位であれば、ストーリーは曲を生みだす素材になりますが、アルバムの場合はストーリーから生まれるというよりも、何曲かを並べることでひとつのストーリーを作る感じです。今回のアルバムでは、ジャズ・アーティストの石橋文夫さんやドイツでも活躍しているアーティストのHenrik Schwarzなど、数名のアーティストに参加していただきました。彼らには曲の大まかなストーリーやピーク部分は伝えましたが、それ以外は自分の感情のままに演奏してほしいとお願いしました。とにかくそれぞれの自分らしさを出してもらいたくて。そうすると、曲の主導権はその人のものになり、自分にはない、彼らのストーリーも生まれる。そうしたひとつひとつを全体の中でどのように繋いでいくか、正直少し時間がかかりました。けれど、大きな決め事を設けず、自然の流れに任せたことで、ひと粒ひと粒の音楽が持つテーマを大事にしながら、アルバムを通して自分にとってナチュラルなストーリーを作ることができたと思っています。


今回のアルバム制作を経て、変化した点や新たに気づいたことはありますか?


KT:アルバムの制作はとても大切な瞬間だったし、いいものを世の中と共有することができたと思っています。また、いろいろな方が参加してくれて、自分の想像を越えたサプライズもあった。けれど、次のアルバムはまたひとりで作ってみようかと考えているんです。今までに自分が経験してきた全てのことを、ひとりの世界でどのように表現できるのかチャレンジしてみたくて。その挑戦の行く先はわからないけれど、次へ進むための自分にとって必要なプロセスだと感じています。


THE NORTH FACE(TNF)について伺います。TNFとの関係を築く最初のきっかけは何だったのですか?


KT:札幌にあるPRECIOUS HALLのパーティにバンドで参加した時、TNFのプロモーション担当である小口さんがいらっしゃって、僕らの音を聴いていてくれたんです。そして、TNF主催のイベントでライヴをお願いしたいと、PRECIOUS HALLのオーナーの方を通じて依頼をいただきました。それが最初のきっかけです。PRECIOUS HALLのオーナーにはいつも素敵な出会いをいただき、信頼を置いて一緒にものを作っていける方を紹介してくれるんです。小口さんを紹介いただいた時も、会った瞬間に「きちんと思いを持っている人」だと感じました。それが2、3年前で、一気に距離を縮めてくれたのは、やはり音楽ですね。


TNFとの関係を深める中で理解したTNFの姿勢はどのようなものですか?


KT:TNFは、僕らが抱いていたいわゆる“ブランド”とは異なるんですよね。僕は自然と接する機会が多くて、そうした場面でTNFのウェアを着用した時に、単純な話ですけれど「こんなにも優れたアウトドア・ウェアがあるのか」と驚きました。それはやはり、一貫したポリシーを持って物作りをしているからだと思う。あと、一昨年、TNFの40周年イベントにDJとして参加させていただいた際、TNFの始まりから現在に至るまでの経歴や、そこに流れる哲学に改めて触れる機会がありました。そこで感じたのは、自然に対する情熱があるからこそ、物が生みだされているということ。そこには音楽と近い何かがあると気づきました。音楽も、人と人との間に情熱があって、そこから生まれていくものだから。知れば知るほど、TNFの奥深さがわかってくるんですよね。


TNFのオリジナル楽曲をいくつか手がけたと伺いましたが、それはどのようなものですか?


KT:最初に依頼をいただいたのは、「スノーボードネット」というウェブサイトに掲載する、TNFのスライドショー用の楽曲です。そのスライドには、冬山のフィールドで生きる人たちの目に映る光景があり、それを見た瞬間、すでに自分の中に音楽が生まれていました。そして制作したのが『North Line』という曲。スキーヤーやスノーボーダーが滑り降りる時のラインや、風を切る瞬間など、自分が思い描くそうしたラインを表現しました。この楽曲を制作したことで、自然との接し方や感じ方など、今まで忘れていた感覚を思い出すことができた。企業と音楽が協同するのはさほど難しいことではないけれど、TNFにはそれ以上の多くのものを与えてもらっている気がします。


その他の楽曲についても教えてください。


KT:TNFがサポートしているトレイル・ランナーの鏑木毅選手が、去年モンブランのトレイル・ランニング大会に出場して、最近ではそのショートPVの楽曲を担当させていただきました。モンブランの周囲を160kmも走るなんて本当にすごいことですよね。映像を見たらそのすごさに圧倒されて、音楽にならなくなってしまって…。ベタにやろうと思えばベタにも作れるけれど、TNFの世界観は少し違う気がして。例えば、TNFはカルチャーの側面であっても、普通とは少し違う視点から入っているような印象がある。スノーボーダーがバックカントリーを滑っていくように、道なきところを進んでいっているような。だから、音楽もそうしたアプローチで表現したいと思って、結構チャレンジしましたね。


今後TNFと一緒にやってみたい企画や、期待することがあれば教えてください。


KT:小口さんを通じてTNFを知ることができたので、個人的には小口さんへの感謝の思いが根本にあるんです。そこで僕ができることといえば、音楽での表現しかなくて。だから、将来的に何かをしようというよりも、自然の流れでお互いに何かをやろうとなった時に、いつでも反応できるようにしておきたいと思っています。


自身の今後の展望を教えてください。


KT: これまでと大きくは変わりませんが、音楽とより身近になれるよう、1日1日を大切に生きていきたい。また、TNFとの出会いのおかげで自然と向き合う機会が増えたので、そこから受けるものを音楽として表現していきたいですね。


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